ミュージカル映画が好きで、
一番好きなのは「雨に唄えば」で、
一番何回も見てるのは「マイ・フェア・レディ」だけど、
この頃、「オズの魔法使」が自分の中でめちゃくちゃ来てる。めっちゃ好きだ。
なんか良すぎる。全部が良い。
まずストーリー。
もとは子供向けのおとぎ話だからか、シンプルに心があったかくなって良い。
(映画きっかけに原作も読もうと思い、「ヴィジュアル注釈版」という、めちゃくちゃ解説が細かくて、分厚い上下巻になってるやつを読んだら、著者のボームは従来のおとぎ話とはちょっと違う、当時のアメリカにおける新時代のおとぎ話を書こうとしたっぽいことがわかった。それについてはまた今度触れたい。あとデンスロウの挿絵、おしゃれでかわいくて良すぎ)
頭をフル回転させないといけない伏線回収とかはない。
シンプルな純粋な面白さのあるストーリーだから、「よし観るぞ!」の気持ちを作るという前準備をしなくても観れる。そこがすごく良い。
次に歌。
「虹の彼方に」は言わずもがな。(カットされかけてたなんて信じられない)
他の曲も全部キャッチーで親しみやすくて大好き。
最近はOptimistic Voicesをリピートしまくり。
なんか歌詞と音の合わせ方が独特で、歌ってみると全然リズムを取れなくて難しい。
すごく不思議で、でも聞いてるだけなら曲名通り楽観的になれて大好き。
サントラには、カットされた曲とかリハーサル音源とかも入ってて、
Optimistic Voicesはリハーサルデモを聴ける。
アーティスト名のところにあるのは、作曲のハロルド・アーレンと、作詞のエドガー・イップ・ハーバーグと、アーサー・フリードのユニットの一員としてものすごいいろんな映画に関わったロジャー・イーデンスの名前。
この3人で歌ってるのかな。
表に出る役者じゃない、作り手のおじさんたちが楽しそうに歌う声、めちゃくちゃ良い。
最後に映像と、その他。
映像で一番好きなのは、竜巻で家ごとぶっ飛ばされたドロシーが、ドアを開けて目を見張るシーンの映像。
何度見ても良い。1939年の映画だと思って見るとなおさら良い。
当時の人、どれだけ心動かされたんだろう。
今の人だって、「1939年の映画」と思いながら、何も知らないまま見ると、かなり驚くのではないかと思う。
何も知らない人は、何も知らないままこの映画を見て、このシーンで心つかまれてほしい。
私は事前に調べて知った状態で見てしまったから、もったいない。でも知ってても、見るのが何度目でも、このシーンはものすごく心に残る。
このシーン、映像はもちろんだが、音楽も良い。
(何も知らない人は音楽も知らないまま見た方が良いと思うが、音楽自体はそんなにネタバレではない)
劇中歌の作曲はハロルド・アーレンだけど、音楽担当はハーバート・ストサートという人らしい。
じゃあこの曲はストサートによるものなのだろうか。
「歌」だけでなく、「音楽」も良い。
あと最後に、トトがかわいすぎ、かしこすぎ。
「虹の彼方に」のシーンでお手みたいなことするのかわいい。
しっぽフリフリして、黄色いレンガの道の上をみんなについて行くのかわいい。
一番かわいいと思うのは、ブリキ男の「If I Only Had A Heart」のダンスのとき、ブリキ男の頭から蒸気が出て、それにびっくり仰天してる様子。かわいすぎてたまらない。
こんな感じで全部良くて(映画の内容の全部が。制作の背後に良くないものが様々あったのはとても悲しい)、その良いところの中でも特に好きなところをダラダラと、別にわかりやすく書く努力もせず語ってしまった。
映画「オズの魔法使」、全部良いので、この文章が意味わかんなかったという方も、よければ見てほしい。
そして、何も知らないという人は、予告編とかも何も見ないまま、そのままの何も知らないままで見てほしい。(ストーリーのネタバレとかではない。「何も見るな」でピンと来てたら、あなたはもう知ってしまっている人だと思う)
私の家族は、ミュージカル映画好きじゃないから、何も知らなくて、私がテレビで見ているのを横でボーッと見て、あのシーンでびっくりしてた。いいなあ!!
おまけ
「オズの魔法使」は全部良いが、このMGMの「オズの魔法使」に影響を受けて生まれた後年の作品もめちゃくちゃ良い。
ミーコというアーティストが、楽曲をディスコ風にアレンジしたアルバムを出している。良すぎる。
全曲良いが、せっかくなのでOptimistic Voicesを埋め込んでおきたい。
あと、トムとジェリーが、1939年のMGM映画の世界の中で大冒険するアニメ映画も2作作られてて、1939年にカットされた使われなかったけどサントラに入ってる曲が、アニメ映画2作目に使われてて、トムとジェリーがもともとMGMの作品だったこととか色々考えると、もう全てが良い。
2作目「トムとジェリー すくえ!魔法の国オズ」
アマプラで見れるので、「オズの魔法使」を見て好きになったという方はぜひ見てほしい。