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エッセイ センター試験3週間切っての「ウィーアーファイティングドリーマーチャレンジ」

(6000字超えの長文になってしまいましたので、お暇なときにお読みいただけると幸いです)

 

2018年は高3だった年だ。

 

高校は進学校だった。でも入って早々なじめず、落ちこぼれもし、大嫌いだった。

軽めの不登校みたいなのにもなったりしつつ(1か月半ぐらいまったく行けなくなって、でも休み続ける勇気もなくて、泣きながら・ブチギレながら通っていた)、3年生になっていた。

 

小学生のころからずっとお笑いが好きだった。

大阪府民だけど、夜更かししてオンバト+を観る小中学生時代を過ごし、どっちかというと東京の芸人さんの方が好き。

 

そのまま育って高3の秋の始まるころ、「三四郎オールナイトニッポン0」というものに出会った。

お笑い好きのテレビっ子だったけど、お笑いラジオは聞いたことがない。

でもすぐにハマった。

 

フリートークが、なんかほのぼのしてて面白い。始まったばかりらしい「有楽町ビカムヒューマン」というやつは、意味不明すぎて面白い。「バチボコ」というコーナーは、もっともっと聞きたくなる面白さ。それ以外のオープニングトークも、リスナーのリアクションメールも、何から何まで全部面白い。

 

聴いて、寝て、起きたら、どんな内容だったかはもう覚えていないけど、「面白かった」、ただその気持ちだけは残っている。

 

三四郎ann0のこういうタイプの面白さに、すぐに虜になり、毎週リアタイで聴くようになった。

 

公立高校のくせに土曜授業が月に1,2回あるという、何から何まで腹の立つ高校だったけど(受験先の高校選びは慎重に!!!! 本当に!!!!)、

金曜深夜3時(つまり金曜27時、ということは土曜午前3時)からの三四郎オールナイトニッポン0のほうが、学校より大事だったので、何度も寝不足で授業受けたっけ。

 

あれは確か10月ぐらい。放送の中で「よふかしのうた」が流れた。

ああ、火曜にラジオしてる怖そうな兄ちゃんたちの曲ね、と気づく。

 

深夜ラジオはそのとき三四郎しか聴いていなかった。

ヒップホップは「怖い」以外の何物でもなかったし、radikoの番組表とかで見られる、火曜2部の人たちの写真もなんか怖かった。

 

ダサくて鈍臭くて、毎日毎日うまいこといかないことばかりの、ステレオタイプ的深夜ラジオリスナーに合致するからこそ、深夜ラジオというものに惹かれた部分もあると思われる私にとって、ヒップホップなんていう怖くてチャラく感じられる音楽は、聞いたことがなかったし、これからも一生聞かないと思っていた。

 

だからそのとき初めて聞いた「よふかしのうた」も、あんまりちゃんと聞かずに、どんなリアクションメールを送ればいいかの方に全集中していた。

 

 

12月になった。三四郎がパーソナリティを務めるニッポン放送の年越し特番が近づく。

これも絶対に聴くんだ。

2018年から2019年に変わるあの日の特番は、今思えば短め、25時から29時まで(つまり1月1日午前1時から午前5時まで)。

 

学校は冬休みの始まり。センター試験を全員が受けるようなタイプの高校だったので、冬休み中は最後の追い込みだとかなんとかというのを、クドクドクドクド。

 

うるさい・うるさいと思いながら、冬休みが始まって家にこもり、しかしやっぱり受験生なのでできる限りは勉強した。でも落ちるだろうなと思っていた。

すごい親不孝で、今考えると意味わかんないけど、D判定かE判定しかとったことのない大学の学部ただ一つにしか出願しなかったから(なんで親は許してくれたのだろうか)。

 

浪人が少なくない学校で、結果的に私の学年はおそらく4割ぐらい浪人。みんな「浪人含めて4年制の高校だから」と冗談を言っていた。

そんな環境で生活していたからなのか、こういう出願の仕方をし(にしても意味不明な受験のやり方で、今考えると親に申し訳なかったなと思う)、一縷の望み目指して頑張っていた。

 

だけど三四郎のラジオを聴くのは、どれだけ受験が近づこうとも欠かさないようにしようと思い、年越しスペシャルも生で聞くことに。

そうしないと、やってけなかった。

 

迎えた特番当日。日が変わり年が変わり、家族はみんな寝た。でも私はこれからがお楽しみの時間。

初めて聴く、「学校の先生、こんなセンター3週間切ってる時期に今まで起きてラジオ聴いてるって知ったら怒るだろうな」と想像しながら聴く、年越し特番は、楽しくてたまらなかった。

 

特にオールナイトクイズボーイのクイズは最高。プレゼントが欲しくて、激ムズクイズを頑張って考えてメールを送ってみる。全然正解できなかったけど楽しい、楽しい!!!

 

なんかもう放送のすべてが、愛おしくてたまらなくなった。

たぶん、「落ちこぼれてるのに、勉強しなきゃなんないのに、自分は今ラジオを聴いてて、でもこのラジオを聴かないと、日常生活やってけない」という意識が、その感情を生んだんだと思う。

しんどかった。当時はそれぐらいしんどくて、ラジオを聴かないと無理だった。

 

だから、受験生として終わってる態度だけど、楽しく楽しく聴き続けた。

気づけば朝が近づいていて、放送も終盤。

 

クイズボーイがまたやって来て、クイズかと思ったら、「大喜利」を出題した。

 

大喜利は私は何も思いつかないからお手上げだ!と思って、メールを送らずただ聴いて楽しむことにした。

そしたらシンキングタイムの曲としてかかったのは、Creepy Nutsの「よふかしのうた」だった。

 

クイズボーイ(溜口さん)の、そのときの曲紹介は、その部分を個人的に録音したぐらい面白すぎた。

Creepy Nutsで『よふかしのうた』! 早口ダジャレ髭もじゃロン毛と、ヘルメット皿回し、〇%△!※&?$◇~」

 

ひどすぎるし、最後何言ってんだかよくわかんない口上とともに始まった「よふかしのうた」。

 

10月以来に耳にして、初めてちゃんとしっかり聴いてみてビックリした。

自分の歌かと思った。

 

👇よふかしのうた

www.youtube.com

 

歌詞の内容は、共感の嵐だった。

というか、「自分以外にもこんなこと思う人が他にいるんだ」、「怖そうなヒップホップの人がこんなこと思うんだ」という感じだった。

 

番組ハッシュタグの実況ツイートを追っていたら、「Creepy NutsCDTVはまだなのに、こっちで先にかかってる!」というような投稿を複数見つけ、

これは!!!と思い、大急ぎでCDTVの年越しスペシャルを途中録画。

 

「よふかしのうた」の衝撃にあっけにとられながら、午前5時、ラジオやテレビ・そして自分にとって「日付が変わる時刻」がやって来て、楽しい年越しスペシャルは幕を閉じた。

 

急いで録画していたCDTVを視聴。歌詞のテロップ付きの映像で観て、やっぱり自分の歌だと思った。

Creepy Nutsの2人は、それでもまだ怖そうでチャラそうに感じてたけど。

 

で、そのすぐ後にFLOWが歌ってて、最後の「GO!」はブチ上がった。

 

楽しい夜中を終え、わりと忙しいお正月が終わり、テレビもラジオも通常放送。

Creepy Nutsのラジオを聴いてみようと思ったけど、ヒップホップの人のラジオを自分なんかが楽しめるかなと迷っている(別にお金かかるわけでもないし試しに聴いてみりゃいいのにね)中、

火曜2部のCreepy Nutsと、木曜2部の四千頭身と、金曜2部の三四郎の3組対抗の企画である「プレゼンステーション」という、PS4のソフトの魅力のプレゼン対決があり、それは結果的に三四郎が優勝したのだが、

その「三四郎優勝」という結果に対する他の曜日の方々の反応を聴いてみたく、火曜2部と木曜2部も聴いてみた。

 

それでやっと火曜2部を聴いてみたら、「大江戸シーラン」という、わけのわからないコーナーが面白くてたまらず、「毎週聴こう!」と思った。

 

そうしてコーナー以外も毎週聴いていると、Creepy Nutsは怖い人ではないことがわかり、

さらにお二人の教えてくれる、今まで足を踏み入れたことがなかった「ヒップホップ」という世界は何もかも新しくて面白かった。

 

Creepy Nutsがラジオを通して教えてくれた重要なことが2つある。

一つめ、「ヒップホップアーティストは怖い人だけでない」ということ。

二つめ、「ヒップホップの世界には怖い人もいるのは事実だが、怖い人の曲だって、怖くない人の曲だって、自分と似た感じの人の曲だって、自分と全く異なる人の曲だって、どんなヒップホップの曲であろうと、『自分なんかが』なんて思わず、聴いていいし好きになっていい」ということ。

 

この二つがわかってから、暗いダサい内気なお笑い好き(お笑い好きが全員暗くてダサくて内気なわけではない)の自分は、「ヒップホップに自分から好んで触れる」という、予想だにしなかった未来へと突入した。

 

やっぱり一番好きなのはCreepy Nutsだけど他も色々聴いたし今も聴いてる。

別記事にも書いたが、SOUL'D OUTの「ウェカピポ」はなぜか、受験の緊張をほぐしてくれるお守りソングとなっている。

 

 

そんな未来へと突入し、受験はやっぱり落ち、浪人生としての2019年4月を迎えた。

 

三四郎が1部に上がった!!!

Creepy Nutsも、当時では珍しい方だった2部2年目継続の快挙を達成し、さらに松永さんが、「ACTION」というTBSの新しく始まる昼のラジオのパーソナリティも務められることになった。

たった3か月でCreepy Nutsのことも大好きになっていたので、ann0だけでなく、ACTIONも欠かさず聴くようにした。

 

それらに加え、radikoエリアフリー会員になり、オンバト+等で観ていたアルピーとうしろシティの、TBSのそれぞれのラジオも聴くように。

 

いっぱいいっぱいラジオを聴いて、その分いっぱい笑えて居場所ができて、すごく心が落ち着いていって、受験先ももう一度落ち着いて考えられるようになって、本当に自分がしたいことは何かを考えて、現役のころとは違う分野の学部を目指すことにして、ラジオ聴いて楽しんでる分ちゃんと勉強しようと燃えることができて、そして何より憎しみぐらいの気持ちを感じていた高校から離れられた解放感でいっぱいで、

親不孝な自己中な感情かもしれないけれど、すごく充実した浪人生活を送れた。

 

今2024年だけど、これまでの人生の中で良かった年ランキング1位は今のところ「2019年」だ。(メールを読まれ始めて、あの今までに味わったことのない、「嬉しすぎて吐きそう」という体験が始まったのもこの年だしね)

 

そんな2019年も終わる日、やっぱりまた三四郎ニッポン放送の年越し特番をし、Creepy NutsCDTVの年越しスペシャルに出た。

私はやっぱりセンター試験3週間を切っていて、今回こそ受かるしかなかったが、やっぱり今回も三四郎の年越し特番を聴いた。

昨年より長くて、23時45分から29時までだったけど聴いた。

ラジオ聴いていっぱい勉強してきたし、1月からの最後の追い上げのやる気をもらいたいしで聴いた。

不安はやっぱりあったけども、昨年の、絶望とか劣等感とか憎しみとか反骨精神とかそういう負の感情ばっかりで聴いてたのとはちょっと変わっていた。

 

この年越し特番で初めて行われたのが、かの有名な「ウィーアーファイティングドリーマー(ズ)チャレンジ」なのである。

 

CDTVに出演前のCreepy Nuts三四郎が電話をつなぎ、「FLOWのサングラスのサングラスを取ってこい」などと無茶振りするチャレンジ。

昨年と同じく「よふかしのうた」を歌っていたが、昨年よりもだいぶ早い時間の出演だったCreepy Nutsを観るため、ラジオを聴きながらテレビを見るというぜいたくな忙しさ。

サングラスを取ってくるのは失敗したけど(いろいろあって後に成功する)、Rさんが曲の前後に「バチボコ」やFLOWに関するワードを入れていて、テンション上がったなあ。

三四郎Creepy Nuts、両者が大好きで本当によかったと思いながら正月を迎え、勉強もラストスパート。

 

そしてセンター試験を迎えた。

会場での待ち時間はずっとウェカピポとかのヒップホップを聴いていた。やっぱりすごい未来に来てるなあ。

書いてて今思い出したけど、センター試験の受験票に書いてる、会場番号か何かの数字にたまたま、「346」の並びが入ってて、三四郎が見守ってくれてるから大丈夫という気持ちを勝手に抱いた。そして自分自身の能動的な行為としても、お守りとして、CreepyNutsのグッズとして当時あった、ACTIONのトートバッグを持って行った。

「自分にはラジオがあるから大丈夫」。そう思うと落ち着いて受験できた。

 

で、結果。そんな良くなかった。

去年よりも点数自体は下がっちゃった。

これで良い結果だったら綺麗なのにね。

 

でも「難化した」との見方も出ていて、「自分ならいける!!やってやる!!」という気持ちになって、国公立はそのまま第一希望のところを受けさせてもらった(親には感謝してもしきれない)。

 

センター3週間前にウィーアーファイティングドリーマーチャレンジを聴いてる場合じゃなかったんじゃないか?

いや、決してそんなことはなさそう。

 

国公立の試験日は毎年2月25日。私の年の曜日は忘れもしない、火曜日。

だって、「残りは小論文の試験だけだけど、小論文は直前に何したって意味がないから」という理由で、その日の夜のCreepy Nutsオールナイトニッポン0宛のメールを考えて、受験会場から送信したから。

 

これほどまでにラジオにどっぷりつかっていて、ラジオがないとうまく生活できない私は、

ウィーアーファイティングドリーマーチャレンジのあったあの年越し特番を聴いていなかったら、もっとセンター試験の結果が悪かったのかもしれない。

 

ラジオがあったから、毎週同じ曜日・同じ時刻に聴いて、「笑う」ということができる時間があったから、受験も、高校生活によってしんどくなった状態で送るその他の生活も、やっていけたのだと思う。

 

メールを送った後の小論文も、自分ではうまくかけたつもり。もう後は願うしかないから、もう一度この大学に足を踏み入れたいと思いながら、

自分の家の近所にはないファミマが帰り道にあったので、2週間ちょっと後に開催されるはずだった三四郎ann0の番組イベント・「バチボコプレミアムライブ」のライブビューイングのチケットを発券し、

家につき、まだ残ってる他の第二、第三希望の受験先の勉強をしてたら夜中になり、

3時が来たので勉強をやめ、Creepy Nutsオールナイトニッポン0を聴き始めた。

 

そしたら読まれた。あの小論文の前に送ったメールが読まれた。初めて、ACTIONでは読んでもらったことはあったけど、cnann0では初めて読まれた。

 

嬉しかった。嬉しかった。これであとは受験受かってたら最高だなと思った。

受かってた。

わりと綺麗でしょう?

 

こんな感じで、私はラジオに、三四郎Creepy Nutsに支えられた高3・浪人時代を過ごしました。

 

今年は三四郎の年越し特番あったら嬉しいなあ。でもその前に、バチボコプレミアムライブがあって、Rさんがゲストの一人。嬉しい、嬉しいなあ。

そして私は一生ラジオ聴き続けるんだろうなあ。