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はじめに
過去の記事で、「ファンタジア」も、その続編の「ファンタジア2000」も好きだけど、ファンタジア2000の方がわかりやすくて好き、だと書きました。
👇その記事
「ファンタジア」が名作ディズニー映画のひとつによくあげられる一方で、あまり有名でない続編の「ファンタジア2000」。
この記事では、そんな「ファンタジア2000」で演奏されている曲や、それがどういったアニメーションと融合しているのか、個人的にファンタジアとの違いを感じる点などを紹介し、ファンタジア2000の魅力をお伝えしていきたいと思います!
そもそも「ファンタジア」とは
1作目の、よく知られている「ファンタジア」は、1940年公開のディズニー映画。
ファンタジアは、クラシック音楽に合わせて作られたアニメーション映像を楽しむ映画であり、例えば「白雪姫」だとか「シンデレラ」だとかのような、ミュージカル調で歌もあるけどストーリーを楽しんでいくアニメ映画、というわけではありません。
ファンタジアの音楽シーンにセリフはなく(音楽と音楽の間の実写シーンには、曲の説明等のセリフがあります)、クラシックコンサートに映像を付けたかのような作品です。
クラシック音楽を聴覚だけでなく視覚からも味わえる、芸術性の高いアニメ映画であり、ご存知の方はNHKの「名曲アルバム+(プラス)」をイメージしてもらえると良いです。
なので、どんなワクワクするストーリーを楽しめるんだろう!?と思って観てみると、面食らって「つまんない」という感想になってしまう可能性もありますが、
(実際、2023年のファンタジアのリバイバル上映で、多くの人が途中でスマホいじり出して、すごく嫌でした😢 )
「コンサートを楽しむぞ」という心持ちで見ると、音楽と映像のシンクロを味わう体験にはかなりの満足感が得られるに違いないでしょうし、セリフはないもののアニメにストーリー性が含まれているものも多くあり、サイレント映画を観るような楽しさも味わえます!!
そんなファンタジア、1作目が1940年に公開され(1940年で、アニメと実写部分がどちらもカラーなの、本当に信じられません)、ウォルト・ディズニーは曲目を変えて続編をどんどん出そうと計画していたみたいなのですが、実現はされず。
しかし60年の時を経た2000年に、続編となる「ファンタジア2000」が公開されたのです!!!
個人的な感想ですが、ファンタジアよりもファンタジア2000の方が、曲・アニメともに親しみやすかったりわかりやすかったりするものが多く、そして時間もファンタジアは126分なのに対し、ファンタジア2000は75分で、圧倒的に「見やすい」です。
この「見やすさ・わかりやすさ」が、「ファンタジア」と、60年後の作品の「ファンタジア2000」との大きな違いではないかなと、個人的に感じています。
ファンタジア2000、楽曲紹介!
ここからは、そんなファンタジア2000の楽曲を紹介していきます!
1曲目 ベートーヴェンの「交響曲第5番」
題名だけではピンとこないかもですが、これはあの有名な「運命」です。ダダダダーン。
ベートーヴェンの運命に合わせて、ストーリー性はそこまで高くない、抽象的な芸術性を含んだアニメが繰り広げられます。
1940年のファンタジアでも、1曲目はバッハの「トッカータとフーガ ニ短調」(嘉門達夫さんが「チャラリー鼻から牛乳」の替え歌をしてる曲)が、抽象的なアニメと共に流れました。
抽象的なアニメ、やっぱり難しくて、1940年のファンタジアの1曲目は、正直なところ眠くなってしまうこともあるのですが、
ファンタジア2000の方は、「運命」という、メロディが有名でよく知っている曲であり、そこまで時間が長くないし、さらに抽象的ではあるもののなんとなくストーリーも感じさせられるような映像にもなっているため、「へえ~、すごいなー」という感想を抱いているうちに気づいたらフィナーレとなっており、特に退屈には感じません!
(Wikipediaによると、ファンタジア2000の1曲目の運命のシーンは2分54秒なのに対し、ファンタジアの1曲目のトッカータとフーガのシーンは9分22秒だそうです!
個人的に、トッカータとフーガは冒頭の『鼻から牛乳』のメロディしか馴染みがないので、9分強も、抽象的な映像と共にそこまで馴染みのない音楽を聴くというのは、ちょっとつらさがあります)
抽象的だからこそ音と映像の融合を強く感じられるけど、3分弱だから駆け抜けるように鑑賞できる1曲目から、このファンタジア2000は始まります!!
2曲目 レスピーギの「交響詩 ローマの松」
曲のタイトルは「ローマの松」ですが、この曲に合わさるアニメは、ローマでも松でもなく、「どこか寒い北の海の、クジラの群れ」がテーマ。
ローマの松は、運命のダダダダーンみたいにめちゃくちゃ有名ではないし、とても馴染みやすいメロディというわけでもないですが、
アニメにストーリー性がわりとあるので、とっても見やすい!!
クジラの群れの中にいる子どもクジラが、親や他の大人クジラと離れて1匹になって、どうなるんだろう??とドキドキしながら見守れたり、
クジラの群れが海を飛び出す様子が壮大で圧巻だったり。
アニメが感じさせる「自然の雄大さ」を、バックで流れる曲の美しさがさらに引き立てているように感じられる2曲目です。
3曲目 ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」
3曲目は本当に素晴らしく、私はこのラプソディー・イン・ブルーのシーンが、ファンタジア2000の中で2番目に好きです!!!
2番目かよ、とお思いかもですが、1番好きなのがあまりにも良すぎるだけで、このシーンも本当にものすごく良い!!!!
ラプソディー・イン・ブルーは、馴染みやすいメロディーがたくさん用いられている曲ですが、その曲に合わせて、コミックみたいなかわいらしい絵柄の人物たちがアニメで描かれています。
アニメはストーリー性が強く、
ニューヨークの町で暮らす、工事現場で働いているけどドラムを叩くのが好きな若者・失業しちゃったおじさん・教育熱心な両親のもと大量の習い事をしているけど、毎日なんだか寂しい女の子・お金持ちだけど奥さんの尻に敷かれていてがんじがらめのおじさん、の4人は日々ちょっぴり憂鬱。
そんな4人の人生がちょっと変わって幸せになっていく様子が描かれており、見ごたえ十分で、曲の長さは12分34秒ですが、「長い」と感じさせられることが微塵もなく、一つの短編アニメとしてかなり感動できます!
そんなストーリー性の強いアニメに全然負けていない、ガーシュウィンの音楽。
単なるアニメのBGMになっているのではなく、曲のためにアニメが作られているところを改めて強く感じさせられる部分が多々あり(具体的な例:くるみを割るところ・地下鉄の階段に人が出入りするところ など)、
曲とアニメ、どっちも主役だと思わされ、曲が終わるときに思わず拍手したくなるような、本当に本当に素晴らしいチャプターです。
ラプソディー・イン・ブルー、親しみやすく、さらに、にぎやかだったり優雅だったり、曲調がコロコロ変わって楽しい、もともと素晴らしい一曲なのに、
その曲に、一つの短編アニメとして感動できるのみならず、曲のために作られた素晴らしいアニメが合わさったら、
「最高」! ただそれだけです。
4曲目 ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第2番 アレグロ」
こちらの曲、そこまで皆が知る曲だというわけではないと思うのですが、わりと親しみやすいメロディー。
この曲に合わさるアニメは、アンデルセンの童話「すずの兵隊」を原案としたものであり、がっつりストーリー性のあるアニメとなっています。
錫(すず)でできたおもちゃの兵隊と、踊り子の人形の恋物語となっており、ハラハラドキドキのチャプターです。
やっぱストーリー性強いと見やすい!!!(個人の感想)
5曲目 サン=サーンスの「動物の謝肉祭 フィナーレ」
先ほどあんなに「素晴らしい、素晴らしい」と連呼したラプソディー・イン・ブルーよりも私が好きな、ファンタジア2000で一番好きなシーンはこの5曲目!!
もともと「動物の謝肉祭」自体が、サン=サーンスがお友達の音楽会のために書いた、パロディなんかも満載の楽しい楽しい組曲であり、
中でもこのフィナーレ/終曲は、組曲に登場する動物のテーマのメロディが勢ぞろいする、にぎやかなカーテンコールみたいな一曲なのですが、
この曲に合わさるアニメが、「フラミンゴにヨーヨーを与えてみたら?」というテーマの、楽しすぎるテーマ。
フラミンゴの整然とした列を、ヨーヨーを持ったお調子ものの一匹がかき乱すドタバタコメディで、曲の時間が1分57秒と大変短いのですが、1分57秒の間、ずっと楽しい!
そして、いつ見ても楽しいし、何度見たって楽しい。
楽しくて、楽しくて、そういう理由で私が一番好きなシーンです。
このフラミンゴ、ディズニー100周年記念映画の「ウィッシュ」のエンドロールの、これまでのディズニー映画キャラを形どった星座が出てくるシーンに映っていたり、
YouTubeでも見られる「ミッキーマウス!」という近年のミッキーの短編アニメ作品の「No Reservation/高級レストラン」という回にフラミンゴのキャラが出て、その回の背景に「FANTASIA2000」という落書きがあったりといった具合であり、
ファンタジア2000を代表するキャラクターになっているのではないかと思っています!!!
(ミッキーマウス!についての記事👇)
ヨーヨー使いのフラミンゴの様子が、とにかく「楽しい」。そんな5曲目です!
6曲目 ポール・デュカスの「魔法使いの弟子」(ファンタジアより)
6曲目はなんと、前作ファンタジアの一番の見どころの、ミッキーマウスが登場する「魔法使いの弟子」が、リマスターされています!
ファンタジア2000もファンタジアも知らないという方でも、青地に白い星柄の入った帽子をかぶり、赤い衣服を着た魔法使いのミッキーの姿はどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
そのミッキーが登場するのが、ファンタジアの魔法使いの弟子なのです。
デュカスの「魔法使いの弟子」という曲自体が、もともとゲーテの「魔法使いの弟子」という詩に合わせて書かれた曲であるらしく、
ミッキーの出てくるアニメも、このゲーテの詩のストーリーに合わせて進んでいきます。
見習い魔法使いのミッキー。師匠が寝た後、自分の水くみの仕事を、魔法を使って楽にしちゃおうと、お師匠さんの魔法の帽子を勝手に被って、ほうきに魔法をかけて歩くほうきにしてしまい、水くみの仕事を命じます。
上手くいったと得意げになるミッキーでしたが、居眠りしちゃって、目覚めたときには水があふれており部屋中が水浸し。
水浸しになっても、くんできた水を部屋へ入れ続けるほうきを止めたいけれど、止める魔法を知らずに……、
という内容。
ストーリーが先にあって生まれた曲に、そのストーリーをアニメにしたものを合わせるという、ちょっと特殊なチャプターですが、そんな背景があるため、もちろんアニメと曲の愛称はバツグン。
前作ファンタジアの中では私は1番好きな、ファンタジア2000の中でもラプソディー・イン・ブルーの次に好きなシーンです。
全然美術の知識とか、映像表現の知識とかはないのですが、魔法使いの弟子のシーンの、影の表現の美しいこと!!
影が印象的に使われてるあの衝撃的シーンはもちろんのこと、仲良く歩くミッキーとほうきの後ろの壁に映る大きな大きな影などから、芸術的な美しさが感じられました。
7曲目 エルガーの「威風堂々」
60年前のファンタジアからよみがえったミッキーの次は、ファンタジア2000のオリジナルの、ドナルド&デイジーのアニメです!!
(ファンタジア2000を見ていただいたらわかるのですが、魔法使いの弟子のシーンの終了後の、ファンタジアとファンタジア2000を、指揮者のストコフスキーさんとレヴァインさんを、60年という年月を、ミッキーがつなぐところ、とてもグッと来て大好きです!)
アニメは、「ノアの方舟」をベースとした、ドナルドとデイジーが動物たちを方舟に乗るように導いていくものの、二人ははぐれてしまい、ついに大洪水がやって来て……、という、壮大な物語。
このアニメに合わさるのが、エルガーの「威風堂々」。表彰式なんかでよく聞く、荘厳かつ超有名な曲であり、曲知ってるし、ストーリー壮大で面白いしで、すごく良いです!!
この曲のシーンが一番好きだという方も多いんじゃないかなと思われます。
ドナルドとデイジーの運命やいかに!?
8曲目 ストラヴィンスキーの「火の鳥」
アニメで描かれているのは、
野山に住むシカが見つけたのは、冬の氷だらけの地面に命を吹きかけていく、緑の精霊。しかし、火を吐いて野山に死をもたらす火の鳥を目覚めさせてしまい、火山の噴火で大火事。野山の命は果たして?
という、自然と命のサイクルを描いた壮大なストーリー。
曲も壮大な感じであるため、「すごいもの見たなあ」という気持ちに。
この壮大さは前作ファンタジアの最後が、曲が「はげ山の一夜」と「アヴェマリア」で、アニメが闇の悪魔と希望の光の闘いをテーマとしていてただただ壮大であるところと通じます。
(余談ですが、👇先ほどもリンクを貼ったこちらの紹介記事に書いてある、短編アニメ「ミッキーマウス!」の、ファンタジアのはげ山のシーンの悪魔・チェルナボーグが登場する、「Touchdown and Out/負けない気持ち」という回、面白すぎるので見てみてください。ファンタジアを見てから視聴する方がよけいに面白いと思います)
フィナーレにふさわしい「火の鳥」の壮大な美しさと共に、ファンタジア2000は、幕を閉じるのです!!!
終わりに
以上、ファンタジア2000の曲とアニメ紹介でした!長文になってしまいましたがありがとうございました。
ファンタジア2000の魅力が少しでも伝わっていればいいなと思います!
(1作目のファンタジアについては、再度のリンク掲載ですがこちらもぜひ👇)
ファンタジアに比べてあんまり有名でない気がする「ファンタジア2000」、
しかし、ファンタジアよりもうんと見やすくてわかりやすくて気軽に楽しめると思いますので(念のためですが私は「ファンタジア」も好きです)、
ファンタジアあんまりだったという方、ファンタジア見てみたいけどムズそうだと思われている方、そしてファンタジアは好きだけど2000はまだ見ていないという方も、皆様ぜひ「ファンタジア2000」を見てみてください!!!
この下に、ファンタジア2000のブルーレイとDVDの購入リンク広告を貼らせていただきますので、ファンタジア2000にご興味を持っていただけた方は、ぜひご検討くださいませ!!
👇ファンタジア2000とファンタジアの2枚組のブルーレイディスクの商品。製作者による音声解説をはじめとした音声特典や、映像特典も豊富で、ファンタジアの2000の方のディスクには、ウォルト・ディズニーとサルバドール・ダリが共同制作していたものの中止になり二人の存命中には完成されずに、約50年の時を経て再び制作された短編アニメーション「デスティーノ」と、その制作背景ドキュメンタリー映像が収録されており、かなり見ごたえがあります。