「午前十時の映画祭」というイベントをご存知でしょうか??
名作映画を全国の映画館で1年かけて、基本2週間ずつ・1日1回上映で、いろいろと上映してくれる映画祭です。
いわゆる「名作」というジャンルに入る、古い映画にロマンを感じてそういうのばっかり見てる私にとっては、夢のような映画祭!!
今年度で14回目になるらしいのですが、私がこの映画祭の存在を知ったのは去年!
もっと早く知っておきたかった……。
午前十時の映画祭のホームページ👇(外部リンク)
後悔しても仕方ないので、興味のある作品はどんどん観に行くようにしているのですが(鑑賞料金が通常の映画より安く、どんどん観に行きやすいのがとてもありがたい!!)、
去年の夏に上映されたのが「アラビアのロレンス」。
序曲だけ知っていて、とても好きな曲となっていたので(映画音楽の名曲集CDにかなりの割合で入っているので、それで知って好きになりました)、映画も観たいなと思っていたのですが、
とても有名な「序曲」👇
上映時間が長すぎる(完全版は、227分!!! 3時間47分!!!!)ので、
家で集中し続けて観られる自信が全くなく、
「そんな機会あるかどうかわからないけど、映画を観る以外にやることのない『映画館』という環境じゃないと観れない」
と思っていた作品。
そんな「アラビアのロレンス」を映画館で観られるなら行くしかないと思って、映画館に駆け込みました。
幸運なことに、学生半額キャンペーン中だったので、大学4回生だった私は、
500円というお値段で、3時間47分の完全版を、4Kで、なんばのTOHOの、でっかいでっかいスクリーン1で観られました。(たぶん当時はスクリーン1しか4Kに対応してなかった)
今後アラビアのロレンスのリバイバルがあったとしても、この好条件はもう一生ない気がします。
ワクワクしながら席に着き、上映が始まると、聞こえてきたあの序曲。
だけど、なんということでしょうか、スクリーンには何も映っておらず、真っ黒なのです!!
黒いスクリーンを前に、流れる音楽だけを聴く時間。
「序曲を映画館の音響で聞けて嬉しいけど、絶対機材トラブルじゃん」と大焦り。
しかし序曲が終わると、スクリーンが輝き始め、タイトルテーマの音楽が聞こえてきただけでなく、バイクで颯爽と走る男性の姿も映し出されました。
序曲のメロディーも使われているけど、序曲よりも爽やかな印象を受ける、メインタイトル👇
「ああよかった、さっきのは何??」と思いながら鑑賞し始め、
3時間47分という、コーラはぬるい砂糖水になり、お日様は傾き始めているというミニ・タイムトリップを終え、「これまで見た中で一番美しい映画である」という感想を抱き、大満足で帰路につきました。
ただ、「真っ暗な中序曲だけ流れる」という、あの数分は何だったんだろうと思って帰ってから調べてみると、
昔の映画ではそのような、最初に映像なしで音楽だけ流れる演出はよくあることだった、とのこと!!!
冒頭(序曲)と休憩とエンディング(終曲)の黒画面に音楽が流れる演出は、当時の大作映画では一般的であった。
「アラビアのロレンス」フリー百科事典 ウィキペディア日本語版
アラビアのロレンス - Wikipedia 2024年6月30日3時(日本時間)現在での最新版を取得
Wikipediaの「アラビアのロレンス」のページにもこのような記述が!👆
そうだったんだぁ。全く知りませんでした!!
真っ暗な中、音楽だけを味わうのが一般的だった。
「大作映画」というものは、当時の人々にとって大切な・偉大な存在だったのかな、なんて考えました。
アラビアのロレンスは日本では1963年公開。61年前だ!!
めちゃくちゃ昔のことのように感じるけれど、まだまだ元気なうちのおじいちゃんが、私ぐらいの歳だった時代。
さすがにブロードウェイ・メロディーとかを公開当時に観に行かれた方のほとんどはお亡くなりになってるかもしれないけど、
アラビアのロレンスなら、当時観に行かれた方は、まだまだいらっしゃるってことですよね、すごいなあ。
(もしこれを読まれている方の中でいらっしゃれば、コメント等で、お話お聞かせ願いたいです!!!)
話を戻しまして、真っ黒なスクリーンのもと序曲が流れる状況を、完全に「機材トラブル」だと思ってしまっていた私。
「序曲が好き」というのを一番の理由として観に行ったのに、落ち着いて聴くことができなくてとても悔しい!!
いつかまたアラビアのロレンスを映画館で観られれば、今度こそ序曲を、「大作映画が始まるぞ!!」という気持ちとともに、真っ暗な中落ち着いて聴きたいものです。
序曲の後にスクリーンに映像が映るようになってから流れた、「メインタイトル」。
さっきも書きましたが、「爽やかな印象」で、わりとびっくりしました。
戦争映画だということは知っていたので、「こんなに爽やかで、ちょっと朗らかな感じもする曲も流れるんだ!?」と、荘厳な感じの「序曲」と比較してびっくり。
でもすごく良い曲で、バイクが軽やかに走る様子とピッタリ合っていて、こちらも大好きな映画音楽のひとつになりました。
お題通り、私は「映画音楽が好き」です。
序曲が好きだったことをきっかけに観た「アラビアのロレンス」。
噂にたがわぬ「名作」で、本当に観てよかったし、序曲が好きで良かったな、メインタイトルも新たに大好きになれて良かったな、そう感じた鑑賞体験でした。
お読みいただきありがとうございました!!