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ミュージカル映画「王様と私」を観た!!

はじめに

ミュージカル映画王様と私」を観ました!!

 

1956年公開、20世紀フォックス制作で、ウォルター・ラング監督、デボラ・カーとユル・ブリンナー主演。

劇中歌は、サウンド・オブ・ミュージックなどでもおなじみの、リチャード・ロジャースオスカー・ハマースタイン2世のコンビが手がけた、舞台版ミュージカルを原作とした映画です。

 

劇中歌の「Shall We Dance?」が特に有名。

www.youtube.com

 

私は前からこの曲が好きだったので、映画も観たいと強く思っていたのですが、

動画配信サービスなどではあまり見かけず。

でも、大学の図書館に所蔵されていたので、館内で視聴しました!!(ちなみにVHSでした)

 

あらすじ

王様の子供たちの家庭教師に任命され、息子とともにイギリスからシャムの国へとやって来た未亡人のアンナ。

王様の子供や奥さんが多すぎるのにびっくりするところから始まり、旧時代的なところのある王様の国の、子供たちや王妃、そしてたまには王様にも、近代的な知識を教えていく……。

ビルマから王様の妻になるように送られてきたけど、好きな男性との別れがつらくてたまらないタプティムと、彼女が愛する男性の物語があったり、

イギリスの国のお偉いさんがシャムの国の視察にやって来て、野蛮な国だとみなされて統治されるハメになったらどうしようと心配し、精一杯西洋的にもてなそうとする王様と、それを支えるアンナの頑張りの物語があったり、

シャムの国は、王様は、そしてアンナは、どうなるのか・どうしていくのか!?

というようなお話。

 

ミュージカル映画”だ!!

わりと、「さっきまでしゃべってたのに急に歌い始める」という、一般的にイメージされる形のミュージカル映画でした。

 

私が最近見たミュージカル映画は、「ジャズ・シンガー」だったり、「ニューヨーク・ニューヨーク」だったりと、主人公が『歌手』という職業であるため、急に歌い始めても違和感がそこまで強くなかったのですが、

本作の主人公・アンナは、家庭教師であるため、急に歌い出すとやっぱり違和感

 

でもその違和感が、「ああ、"ミュージカル映画"を見てるんだ」という良い気持ちへと私はつながるので、ザ・ミュージカルな映画を見れた!!と、大変嬉しくなりました。

ミュージカル映画の、非現実のエンタメの世界へ連れてってくれる感じが私は大好きなのです。

 

 

ロジャース&ハマースタイン、最高!!

ロジャース&ハマースタインの名コンビの曲は、やっぱり最高ですね!!

Shall We Dance?」しか知らなかったのですが、他のどの曲も、親しみやすかったり、美しかったり、強く印象に残ったりで、すぐに大好きに!!

 

特に好きになったのは、冒頭で歌われる、「口笛ふいて( I Whistle a Happy Tune)」という曲。

アンナと息子のルイが乗る船が、シャムの国に到着したときに、アンナによって歌われる曲なのですが、これを聞くと、アンナはかたい意志を持った強い女性であることが一発で丸わかり

👇 「口笛ふいて( I Whistle a Happy Tune)」

youtu.be

 

Shall We Dance?について

唯一知っていた曲、「Shall We Dance?」は、かなり終盤で流れました。

この曲の歌唱とダンスのシーンは、とても美しかった。思わず音量を上げて、画面に見入りました。

 

この曲、映画鑑賞前は、アンナと王様が恋仲になって歌われる曲なのかなと思っていましたが、

アンナと王様の関係は、単純な恋愛関係ではありませんでした。

アンナと王様それぞれが複雑な気持ちを抱いている中で歌い踊られる、そんな曲でした。

 

アンナは、王様のことを全肯定は決してしません。時には強い態度で抗議することも。

でもアンナは心の底から、王様を偉大な王として尊敬し、恋愛感情ではないけれど、心の底から愛するのです。

 

ミュージカル映画って、単純な恋愛関係を描いている作品も結構多いので、「Shall We Dance?」の使われ方にはちょっとびっくり。

 

ロジャース&ハマースタイン作品をはじめとして、ミュージカル映画は、1960年代付近で、音楽面での芸術性だけでなく、ストーリーの芸術性もさらに深まっていった、というのを読んだことがありますが、

この作品もまさに、曲だけでなくストーリーも素晴らしいタイプのミュージカル映画でありました!

 

 

王様、かわいらしい!!

王様は、単なる「いい人」では決してなく、わがままなところがあり、高圧的なところもある人物ですが、無邪気で、好奇心旺盛、向上心も高く勉強熱心でシャムの国の未来を本気で考えている、そんな人です。

 

王様は物語序盤で、アンナから「エトセトラ」という英単語の意味を教わるのですが、それから後も、ずっとずっと、何かあるたびに「エトセトラ、エトセトラ」と言いまくっていて、王様の無邪気な子供っぽいところがこの部分に強く出ていて、「かわいらしい人だな」という気持ちに。

王様の「エトセトラ」は、映画を観て個人的に一番心に残った要素です!!

 

まとめ 見て本当によかった!!

ロジャース&ハマースタインの素晴らしい曲が、典型的な"ミュージカル映画"の形式で歌われながら、ストーリーは単なる勧善懲悪や恋愛物語ではなく、もう少し複雑な人間の心を描いているこの作品、見応えたっぷり、聞き応えたっぷりで、見て本当によかったです!!

 

あまり触れませんでしたが、劇中劇の「『アンクル・トムの小屋』 タプティムアレンジ シャム版」(私が勝手につけたタイトルです)も、「プロが本気出して演出した劇」という感じがして、結構長時間あったのに見応えがすごかった!!!

 

ストーリーも大変良く、そして、タイが現在まで、東南アジアの国々では数少ない、「欧米の植民地にならなかった国」として独立し続けた事実を思うと、この物語はだいぶフィクションを交えているものの、王様の思いは叶ったんだなという感慨深い気持ちにも。

 

単純明快なストーリーで、特に何も考えずに歌と踊りだけを楽しめるミュージカル映画も良いし、

この「王様と私」のように、ストーリーも優れているタイプのミュージカル映画も良い。

ミュージカル映画って、やっぱ最高ですし、この作品も、素晴らしい作品でした。

 

皆様も「王様と私」、ぜひご覧になってみてください!!

お読みいただきありがとうございました!